認定支援機関として

私は複業(副業・兼業)や起業を推奨しその実践をお伝えしてきました。もちろん今もそうした人の背中を押したい気持ちは変わりませんし、起業講座もしています。

ですが、

・副業300万円以下は事業所得とみなさず別途所得税の計算をする(一旦ルール化は取りやめたけど...)

・インボイス制度導入

という当局のやり方は、完全に副業や起業に水を差すものと言わねばなりません。

複業(副業・兼業)や起業(あるいはその両方)のほとんどは、自身の可能性を信じて踏み出す小さな一歩であり、自己実現と経済活動の接点であります。それを応援することは、利他の精神であり、経済の発展にもつながるはずでしょう。

しかしながら、そうした「働き方改革」を煽りつつ、他方で増税するというスタンスはいったい何なのか?「柔軟な働き方」とは小規模事業者から”なけなしの金銭”をはぎ取ることなのか?

税金には公平が求められますが、社会的な生活を営むためには最低限のコスト(固定費)がかかります。ですので、誰からも一定割合で税金を徴収することは「公平」ではなく、そのために小規模な個人や事業者への優遇や累進課税などの制度があるはずです。

また、税は財源ではありません。このことは多くの人が勘違いしていますが、自国の通貨を発行できる政府は、予算策定して中央銀行を従えて通貨を発行し、その後に経済調整や分配による社会安定のために税を徴収します。つまり、先にお金を使い、あとから徴収して、調整しているにすぎません(確定申告や税務申告はだからその期の”後”なのです)。

通貨が発行できる政府と、企業や個人と同様に考えて「国の借金が多すぎる」というのは、残念ながら比較対象が違うのです。

このことは、士業や認定支援機関などがしっかり伝えるべきかと思います。(政府のお金:助成金、補助金などの給付の支援をしているのですから...)

もしも国が多様な働き方として、本当に副業・兼業や起業を推し進めるなら、副業収入での事業所得参入を認めるべきですし、インボイス制度については廃止、消費税減税(本当は廃止)、をして、スモールビジネスをしっかり支える必要があります。

小さな一歩を踏み出そうとしている個人を応援することをせずにして、一体国が何をやるべきなのでしょうか?

これからも、複業・起業推しの士業・認定支援機関として、インボイス制度や消費税の問題などには、しっかり注文を付けたいと思っております。