DX時代と言われて久しいですが、超上流と言われる領域である要求・要件定義について4象限でまとめています。
①:ビジネスにおける”要求”
これは、今後の経営組織の方向性として、中期計画や戦略の示すところをクリアにする領域です。主に中期経営計画書や重点政策の内容がそのまま来ることが多いでしょう
(例:「売上計画のアップに伴う顧客関係の向上」)
②:ビジネスにおける”要件”
やや抽象度が高い”要件”に対して、どのような具体的な施策が必要かがここに書かれます。
(例:「営業部門における顧客関係性、カスタマーリレーションの強化」)
③:システムにおける”要求”
ビジネスの”要件”に対して、それを満たすシステムやデジタルにはどのようなものがあるのか、を明確にします。多様なツールがあるので、その特定もこの領域になります。
(例:CRMのシステムツールの導入)
④:システムにおける”要件”
システムツールが③で決まるので、ここに必要なシステム要件(システムツールで可能にするべき条項)を纏めます。このシステム”要件”が決まることで、ツールやベンダー候補が作成されることもあります。また決まっている場合には、その具体的な機能を確認する作業も含みます。
①~④はフローとして捉えると分かりやすいですが、特に重複も見られるため、このように整理しておくと、今何の議論をしているのかが明確になります。
実際のシステム開発の現場で、ウォーターフォール型開発ではもちろん、アジャイル開発においても、意味のないプロダクトを作らない、機能の優先順位を決定する、という際にもこの整理をベースにするとよいでしょう。
いずれにせよ、DXの時代は、IT/非ITの境目がどんどん希薄になり、「何をするべきか?」「どのような価値を(デジタルで)創るべきか」が中心的議論になります。
そうした際に、頭の中が混乱しないように整理するフレームワークとして参考にしていただくとよろしいかと思います。